A natural field and satoyama with local plants and broadleaf trees, 2023.

reel

episode

栽培と採取 採取のための環境再生

2018年、縁があり温室を借り栽培を始めたのとほぼ同時期に、採取のための里山も借りることになる。
その里山は30年間暮らしていたご夫婦が山を降り、さらに10年近く放置され、植林された杉は30m前後に成長、地面はぬかるみ、全体に鬱蒼とした場所。
始めてその里山に入った時はなんだか怖いなと思ったのを覚えている。ところが、森の中を散策し、よく見てみると、状態こそよくはなかったものの、たくさんの素晴らしい花木があることに気づく。
どれも大きくなりここまで育てるのは長い時間を要するものばかり。
金木犀・さまざまな品種の椿・柚子やみかん、甘夏。そして50本ほどの梅林。
これはまだ再生できる、再生したら素晴らしい採取の拠点になると思い、
半ば無謀とも思えたが約2000坪の里山での環境再生を開始。2017年の夏

まず何をするか見当もつかない

そんな荒れた里山を入手して、こうしたいというイメージ、この樹木、里山を復活させたいという思いに具体性はあったものの、何から手をつけていいのか・・・・。そんな状態から、たくさんの仲間に助けられながらまずは草刈り、そして枝打ち、剪定を開始。
途方に暮れるレベルさえ超えていたけれど少しずつ進めていく。
それと同時に根本的な日も入らない、風も抜けない。水がはけない。という問題解決に向けて、溝を掘り、暗渠・明渠作り、チェーンソー技術を身につけて杉の大木を間伐開始。

チェーンソー技術・環境再生の手法を学びながら

そんな作業を始めて1年経った頃、
2019年、房総半島を巨大な台風が襲い、里山の木々は倒され振り出しに戻るどころか壊滅的なダメージを受ける。。心も折れかけたけれど、更なる環境再生のために、倒された木を片づけ、整理して少しずつだが整備を続けていく。

倒した杉をどうするか?

伐木を開始し環境も良くなり始めていると感じ始めた頃、倒した杉の量が想像をはるかに上回ることに気が付く(今頃か。。。という話だけど)

それは薪として使うなんて量ではなく、30m級を100本以上 倒した時の迫力、量はすざましい。

この材をただ切りっぱなしで放置したのでは環境にも良くないのは明らか。
そこで、ログビルダーで建築士の友人に相談して、ログビルディングを開始したのが2020年。いわゆるログハウスではなくログの技術、切り出した丸太を使用したA-Flame建築。さらには90%自然に還る家を。
あるのは丸太とチェーンソー、中古で手に入れたユンボ。ユニックもない中での挑戦。
そのためにはまず水が流れる道をつくり、できる限り平らにし、溝を掘り建物を建てるための場所作り。

徐々に形が見え始めている

環境再生から始まり、切り出した材の有効利用のため建築をはじめ、その作業に没頭している間にも里山は回復し、気がつけばさまざまな花木が咲き、梅花コーディアルや金木犀シロップ、香る木や花。キクラゲや茗荷、冬苺やフウトウカズラとたくさんの植物が採取できる場所になっています。

回復する里山・集う仲間たち

ログビルディングを進めている間も環境は再生し、弱っていた木々も花をつけ、土の中で眠っていた植物も芽吹く。
採取の場所作りから始まった里山再生も、倒した樹木の利用。明るくなった里山での栽培、ビオトープ。そしてたくさんの仲間が増え色々な意味ですこしずつ実り始めている2023年。

2023年完成を目指して

2023年。母屋までの完成を目指して、週に一回は欠かさず丸太と格闘している

2023年6月 

間伐した杉で作るA-frame。構造が仕上がり間近・ここまで3年。嬉しいような寂しいような。この夏屋根を仕上げて内装に入る

7組のA

7組のフレームが立ち上がり少しづつ建築物感も。